簡単!あらすじの書き方!


「小説賞に応募しよう!」そう思い立った皆さんは、応募要項にこんな文字列を見つけるでしょう。「あらすじ(400文字)を一枚目に添付してください」と。

どうして作品を送るのにあらすじが必要なの?

探偵小説の時はどこまで書けばいいの?

詩や短歌の時はどうしたらいいの?

 

そんな疑問にkino-kuni文學賞の下読み・審査員目線からお答えいたします! 


①あらすじって何故必要なの?

ここで質問です。

「下読みさん」とは、賞の選考途中に「上にあげる作品」を選ぶ人ですね。ではこの「下読みさん」は、1人当たり何本の原稿を読んでいるのでしょう?

 

答えは、1人あたり200本~500程度です。それを1週間~1か月で読みます。

もちろん、その賞や下読みさんの力によってバラツキがあります。1人で1000本読む猛者もいるでしょう。そんな下読みさんですから、一次審査を通るはずの人を間違って落としてしまうこともありますし、最終選考まで言って審査員に「なんでこの人あげたの??」と言われることもあります。

※ですから、一度おちた作品でも何度も他の賞に応募してみてください。絶対に!

 

だからこそ、作家の自衛策としての「あらすじ」なのです。あらすじのつまらない大御所作家はいないように、あらすじを書く力は、作品を書く力に直結しています。

食事もとれず、水も取れず、睡眠もとれず、毎秒原稿を読んでいるのが下読みさん。その下読みさんの朦朧とした意識のなかでも、「あらすじ」だけはしっかりと読めます。

 

そのあらすじに目を引くものがあれば、自動的に一次選考を通過できる……なんて風の噂もあるほどです。もし応募する賞に「あらすじを書いて」とあったら間違いなく、絶対に書いてください。本当にそれだけで上位に食い込むことだってできるのです。


②オチが重要な話も、あらすじを書くの?

探偵小説、ホラー小説、ドンデン返しがある小説……。

オチで人を驚かす小説でも、あらすじを書くのでしょうか?

 

この質問は、とっても多いのです。

答えは「書いて下さい」「書いていないと失格になります」です。

kino-kuni文学賞では探偵小説の応募も沢山ありますし、受賞した作品ももちろんあります。それら全て、オチまできちんと書いてありました。むしろ、オチがあった方が、受かるのです!

 

 

面白い探偵小説やホラー小説は、オチを知っていても、何度も何度も読み返そうと思いますよね。同じように、あらすじでオチを知ってしまったから本文を読まなくていいやとはならないのです。

 

また、プロになった時のことをイメージしてください。プロになった場合、編集さんには「企画書」と称してプロットをオチまで全て書きます。あらすじを出すというのは、プロとして編集者と打ち合わせをするための練習なのです。この練習をきちんとしている人を、プロ作家として世の中に送り出したい。新人発掘をしているkino-kuni文学賞はそう思っております。


③詩や短歌・俳句もあらすじを書くの?

kino-kuni文学賞基準ではありますが、

あらすじを描かなくてよいジャンルを列記し要と思います。

・詩

・短歌

・俳句

この三つは、あらすじを描かなくても大丈夫です。

あらすじなしで送ってくださいね。

 

でも、これ以外の全ての作品は、あらすじを送ってくださいね。

たとえあらすじが不出来であっても、ないよりもずっと評価が高くなります。


④簡単!あらすじの書き方!(1)

kino-kuni文学賞が教えるあらすじの書き方。ではまず前提からお話ししましょう。

 

【必ず書いて欲しいこと】

◆登場人物の職業(学生・サラリーマン・花屋の主人etc)

◆登場人物の性格(まじめ・ちゃらんぽらん・内気etc)

◆起承転結(必ず結=オチも書きましょう!)

◆登場人物たちが生きている世界・時代

◆登場人物たちが乗り越えてゆく問題

 

まずはこの5つを書いてみてください。この5つさえあれば、他が多少わかりにくくても何とかなります。逆にこの5つのうち1つでも外すと、審査員は「??」となってしまうので気を付けてくださいね。

 

上記はぜひ、あらすじを書いた後の最終チェックシートとして手元に保管しておいてください(コピペ推奨します)


⑤応用!もっと素敵なあらすじを!

 

あらすじの書き方①で説明した5つの基礎。

これを守れれば、あらすじで落ちることはまずありません。では、「落ちないこと」ではなくて、「もっと上に行く」ためにはどうしたらいいでしょうか?

 

まず、好きなジャンルの、好きな作家・作品のあらすじを、すべて書き出すようにしましょう。童話や脚本や小説や……色々なジャンルをkino-kuni文学賞では募集しておりますね。自分の応募ジャンルのなかで、amazonランキングなどで上位の作品のあらすじをすべて書き出すのです。

 

でも問題があります。

販売されている本のあらすじには、「オチ」がないのです!

これは由々しき事です!大変な事です!勉強のチャンスです!

ランキング上位の作品のあらすじに、あなたがオチをつけてみてください

その作品の本当のオチでも、あなたが考えたオチでもどちらでも構いません。

作品の「オチ」を作る練習にもなって一石二鳥です。


まとめに


あらすじを書くために、大御所作家でも5時間かけることがあります。

それほどに、労力を使うべきものが、あらすじなのです。

本編よりもあらすじを書く方が大変だというプロ作家も多々いらっしゃいます。

 

だからこそ、まだ新人のうちから鍛えておきましょう。

けっして、あらすじを無下にせず、プロになった時のために、沢山あらすじを書いてみてください。下読みさんが意識もうろうとせず、しっかり読めればあらすじは不要なのでは?という問題ではないのです。(下読みさんを100人に増やして1人20本のみにした場合、下読みの質の統一が図れず、結果として良い作品が今より埋もれてしまうのです……本当に本当に申し訳ないことですが、一度落ちても懲りずに必ず応募してください!)

 

たかがあらすじ。だけどあらすじのせいで落ちるなんてことにならないように、是非、あらすじ基礎のチェックシートを活用してみてくださいね。kino-kuni文学賞では、あらすじ込みで審査しておりますので、どうぞ奮ってご応募ください。